彩都東部中央東土地区画整理事業造成区画 彩都東部中央東土地区画整理事業造成区画
プロジェクトレポート

PROJECT REPORT

彩都東部中央東土地区画整理事業造成工事(大阪府茨木市)

企業誘致を行うために必要となる産業用地を創出し、大阪経済の成長・発展につなげるとともに、
新たな雇用創出による地域活性の向上を目指す物流等事業用地の造成工事を現在丸磯建設は行っている。

企業誘致を行うために必要となる産業用地を創出し、大阪経済の成⻑・発展につなげるとともに、
新たな雇用創出による地域活力の向上を目指す物流等事業用地の造成工事を現在丸磯建設は行っている。

大阪北エリアの物流の要となる中央東地区。
社員の意識と努力で高品質を保つ造成工事

大阪府箕面市と茨木市にまたがる北大阪エリアの丘陵地に開発が進む「彩都」。
大きく西部/中部/東部の3つに分かれており、丸磯建設が現在、造成工事をおこなっているのは東部地区です。ここでの仕事について滝本龍一所長に話を聞いた。入社28年のベテラン。数々の現場をこなしてきたスペシャリストで、同現場の責任者でもある。

土木部 工事部長 滝本龍一

関西支店 土木部 工事部長 滝本 龍一

交通利便を活かした新たな物流センター地区を造成

「彩都東部地区は、名神高速道路の茨木I.C.と現在工事中の新名神高速道路の茨木北I.C.(仮称)に隣接する交通至便な立地です。ここに物流倉庫が建ち並ぶエリアができるのですが、その造成工事を請け負っています」。

今回は、彩都東部中央東土地区画整理事業造成区画の約47haの土地造成を行っています。もともと山林であった土地を、専門業者が伐採したあと、海抜150m〜190mの高さにならしていきます。 「ここには270万m3の切土と285万m3の盛土があります。土の変化率が1.05くらいで、他から土を持ってこなくてもバランスが取れています。この数値は測量会社とドローンによる測量結果を照らし合わせても、ほぼ誤差がありません。270万m3もの土を均し造成するのに、今現在(4/20現在)7万m3が完了しています。納期を考えると1日あたり1万m3、月に20万m3分こなして行かなくてはならないので、大変です。造成工事が終わらなければ、道路工事もインフラ工事も始められませんし、後の工事への影響が大きいので、あらゆる努力をして工期調整をしています。」

  • もともと山林であった土地を、専門業者が伐採したあと、海抜150mから190mの高さに均していく

25年ぶりの新車に業界も注目

今回使用している重機は、ハイブリット機構搭載油圧ショベル、そしてキャリーオールスクレイパーです。
今回注目したいのが、25年ぶりに作られたキャリーオールスクレイパーです。
「25年前と設計は同じですが、エンジンや部品などが高性能になっているので燃費も効率もとても良いです。多くの土砂をブルドーザーでサポートしながら一気にかき集め運ぶ重機です。
25年ぶりの新車なので業界が注目しています。」

  • 25年ぶりに作られたキャリーオールスクレイパー

    25年ぶりに作られたキャリーオールスクレイパー

  • CO2削減。ハイブリッドパワーショベル

    CO2削減。ハイブリット機構搭載油圧ショベル

工事を「安全」に「高品質」のものを「原価を抑えて」進めていくために

 同現場は、丸磯建設を入れて3社で造成工事していますが、同社が主となって工程管理を行っています。工事を「安全」にすすめ、「高品質」のものを「原価を抑えて」進めていくために、1週間、1ヶ月、1年、全体と分けて工程を作り、それを元に全体に指示を出していきます。各グループに指示を行き渡らせるのも、丸磯建設の社員の役割です。

また、工程の中で設計変更が起きた場合、丸磯の社員全員は施工管理を行うことができるので、臨機応変に対応できます。 「まだ工事がスタートして日が浅いので、大きな設計変更などはありません。ただ、土量バランスをチェックしながら見直すということは、日々行っています。今後、ユーザーの欲しい面積によって区割を変更するなどの対応も出てくると思います。」

  • 現場作業だけではなく、工程管理、安全管理の報告書など事務作業も同時に行う

    現場作業だけではなく、工程管理、安全管理の報告書など事務作業も同時に行う

  • 週間工程表、月間行程表、重機土木工事行程表

    週間工程表、月間行程表、重機土木工事行程表

目視でわかりやすく。
安全のための対策

特に気を配っているのが安全対策です。 「“安全の見える化”を実施しています。例えば重機や車が通る場所にのぼりを立てて、注意喚起をしています。重機の通る道はピンクの旗、通常の車が通る場所は黄色の旗など、分かりやすく色で区別しています。あと、これは全社的な取り組みですが、重機を運転する場合は必ずシートベルト着用を義務づけています。重機のコックピットの上に青いランプがあり、シートベルトを着用すると回転するようになっているので、一目瞭然です。また、重機は高さがあるので乗り降りする時に危ないので、両手をいつでも使えるよう重機に持ち込む荷物や弁当などは、リュックタイプの鞄に入れて運ぶよう指導しています。」 」

青いランプがシートベルトを着用すると回転するようになっている

青いランプがシートベルトを着用すると回転するようになっている

品質を維持するための努力。
社員の意識向上のためにしていること

「重機にその重機を扱っている人の職務や名前を貼って明示しています。それにより仕事に対する責任の自覚が生まれます。また品質を保つために、例えば、ブルドーザーの撒出厚は31cm、ローラーの転圧回数6回と決めていますが、それを車体に貼り、いつでも目視で確認することで、品質確保の意識を行き渡せています。最近では、施工のIT化として、ローラーが転圧回数をこなしているか、運転席のモニターではもちろん、事務所でも閲覧・印刷が可能になっています。人の目や意識の他に新しい技術をプラスして、品質維持に努めています。」 新たな技術・重機を導入しながら、徹底した安全管理、品質管理を着実に進める現場の姿が、ここにはありました。

重機を扱っている人の職務や名前を貼って明示している

重機を扱っている人の職務や名前を貼って明示している

工事概要

  • 彩都東部中央東土地区画整理事業造成工事(大阪府茨木市)
  • 元請会社:株式会社フジタ 大阪支店 彩都造成作業所
  • 工  期:2015/12〜2017/9末
  • 造成面積:47ha
  • 使用重機:ハイブリット機構搭載油圧ショベル4台、キャリーオールスクレイパー3台(新車)