アクアリハビリテーション病院建設工事 アクアリハビリテーション病院建設工事
プロジェクトレポート

PROJECT REPORT

アクアリハビリテーション病院建設工事(千葉県木更津市)

昭和51年(1976年)に開設された建築事業部は、マンション、商業施設など様々なビルを建設しています。
昭和57年(1982年)に新松戸の病院を建築して以来、一番多く手懸けているのは病院建設です。

昭和51年(1976年)に開設された建築事業部は、マンション、商業施設など様々なビルを建設しています。
昭和57年(1982年)に新松戸の病院を建築して以来、一番多く手懸けているのは病院建設です。

多くの患者さんが安心して回復できるよう、
安全で安心な病院を造る

丸磯建設建築事業部は、2016年7月現在、千葉県木更津市において、延べ床面積約5000平米のリハビリテーション病院を建設中です。病院の工事において、他の建築物と違う気をつけなければいけないことについて、大友正宏所長に聞きました。

建築事業部 大友正宏 所長

建築事業部 工事部長 大友正宏

病院ならでは施工。例えば生理検査室では、壁や天井に銅箔や鉛を仕込む

アクアラインを降り、木更津市の旧市街を抜けると、高台の新興住宅地が広がります。区画整備された美しい街並みをしばらく進むと、アクアリハビリテーション病院建設現場が見えてきます。
「高知県にある医療法人が、初めて首都圏に病院を建てるというのでお話をいただきました。丸磯建設は、病院建設で多くの実績があります。今回は元請け工事となり、下請け業者が約20社、随時100名程の職人をまとめています。工事は順調に進んでいて、9月末に引き渡しの予定です。」

病院という特殊な建物では、普通の建設と違うところ、気をつけなければいけないところが数多くあります。
「OAフロアはもちろん、X線など電気を多く使う機械がある部屋は、電線やLANケーブルが邪魔にならないように床を下げて、線が床の中を通るようにします。厨房は水を多く使うので、ここも床を下げて溝をつくるなど、病院建設では場所によって床を下げたり、機材の重さを支えるため鉄筋量を多くしたりします。また、X線や生理検査室など、特殊な部屋ついては、中で使用する機械に合わせて仕様を変えなくてはなりません。X線やCTの放射線室は、外部に漏れないよう壁に2ミリの鉛が貼ってあります。エコーを取る超音波検査室では、電磁波を遮るよう部屋の壁・天井・床に銅箔を巻き付けています。銅箔は今回が初めての仕様です。」

  • 電磁波を遮るよう銅箔を巻き付けた床

    電磁波を遮るよう銅箔を巻き付けた床

  • 鉛が貼ったボードはレントゲン室等で壁・天井・床材として使用される

    鉛が貼ったボードはレントゲン室等で壁・天井・床材として使用される

優先されるのは、患者が安心して過ごせる空間であるということ

病院建設をするにあたり、一番気を使うのがバリアフリーです。
「今では当たり前になった手すりやバリアフリーなどが、病院建設では早くから取り入れられてきました。ほんの数センチの段差でつまずく患者さんがいます。設計図どおりに工事を進めていても段差が数ミリ出たりする場合もあり、そのときは削るなどして調整していきます。防音室など特殊な部屋を除いて、全館徹底してバリアフリー床になるよう仕上げていきます。また柱などの角はR状にして、尖らないようにします。病院では廊下やトイレなどに手すりがあり、それを設置するためには壁の裏に補強が必要です。どの位置に取り付けるかによってあらかじめ補強板を設置するのですが、設計図だけでなく、どの位置が一番適しているか、モデルを作って病院のリハビリ担当の方に実際に試してもらいます。そうして位置や高さを決めていくのです。」

  • 手すりの位置などは現場レベルでの調整や確認を行い決めていく

    手すりの位置などは現場レベルでの調整や確認を行い決めていく

  • 全館徹底したバリアフリー床にしあげていいく

    全館徹底したバリアフリー床にしあげていいく

微調整は常に現場で。小さなこだわりが積み重ねられて高品質な建物へ

工事を進めていく中で、設計図どおりにならない場合も出てきます。
「例えば、設計図ではここに配管を通すと書いてあっても、実際に梁などで入らないこともあります。設計図は平面と立面の両方ありますが、建材によって微妙にズレたりするのです。そんなときは、職人と相談しながら設備図を書いて設計士の確認を取った上で修正します。設計を変更するにしても、病院では患者さんのことを第一に考えて造るので、患者さんが使う場所の仕様はそのままに、お客様から見えないバックヤード部分の仕様を変えて予算内に収めるよう工夫をするので、お客様からも喜ばれます。」
現場で臨機応変に対応でき、予算内で収まるよう変更できるのは、病院工事を多く請け負ってきた経験があるからです。ここでも丸磯建設の社員一人一人の、施工管理力が発揮されています。

「この病院はリハビリテーションに特化した病院です。4階がリハビリ用のスペースで、天井高が4.3m、光が入る大きな窓も正面に付いて、開放的な空間になっています。患者さんに気持ちの良い空間でリハビリしてもらうよう、施主のこだわりが感じられます。最近の病院はアットホームな雰囲気と言うのでしょうか、暖かみのある壁紙や明るい室内が好まれます。外来の待合室や外壁のタイルなど、こだわりが出ている部分がこれからどんどん仕上がってくるので、出来上がりが楽しみです。」建物だけでなく、駐車場や道路の舗装、植栽などを済ませて、ようやく引き渡しとなります。
房総の夏の空に映える堂々とした外観は、訪れる人に希望を与えてくれる病院の将来を彷彿とさせました。

  • 4階のリハビリ用スペースは、天井高4.3Mと開放的な空間になる予定

    4階のリハビリ用スペースは、天井高4.3Mと開放的な空間になる予定

  • 工事を進めていく中で、現場でのコミュニケーションと信頼関係を構築

    工事を進めていく中で、現場でのコミュニケーションと信頼関係を構築

工事概要

  • 木更津矢那病院新築計画(千葉県木更津市)
  • 発注先:医療法人 互生会
  • 工期:2015/9〜2016/9
  • 造成面積:9143.47m2

「印刷会社の営業から工事現場へ転職」〜小林亮介さん

ー大学の経済学部を卒業し、いったんは印刷会社で営業していたという小林さん。なぜ畑違いの建設会社に転職したのでしょう。
「前に勤めていた会社での営業時代は、激務に追われて体調を崩してしまいました。屋外で身体を動かす仕事につきたいと思い、初めは大工になりました。」

ーしかし、見習い期間に怪我をしてしまいます。「結局1年半で大工は辞めてしまったのですが、次の仕事も同じように屋外で働けるところが良いと思い、建設派遣の会社に入りました。派遣された先が丸磯建設で、今の所長にスカウトされてこちらの従業員となりました。」

ー最初はただ立ち尽くすだけだったといいます。
「最初は何もできずに、先輩方にとにかくいろんなことを質問して仕事を覚えていきました。特に職人さん達からたくさん教わりました。大工をしていて建物を造る流れは分かっていたので、あとは進め方など建設に関わる細かい部分を覚えていきました。丸磯建設に入って1年半過ぎましたが、ようやくなんとか仕事も分かってきたと思います。」

現在は得意なパソコンを使って、安全書類のまとめなども任せられているといいます。建設業で働くには文系・理系は関係なく、働く意欲があれば問題ないという小林さん。将来が楽しみです。

小林亮介さん