ルーブル武蔵関弐番館新築工事 ルーブル武蔵関弐番館新築工事
プロジェクトレポート

PROJECT REPORT

ルーブル武蔵関弐番館
新築工事(東京都練馬区)

丸磯建設建築事業部では、病院建設やオフィスビルなどの他に、数多くのマンション建設も行なっています。今回取り上げる「ルーブル武蔵関弐番館」は、(株)TFDコーポレーションが展開するマンション・ルーブルシリーズの1棟です。

丸磯建設建築事業部では、病院建設やオフィスビルなどの他に、数多くのマンション建設も行なっています。今回取り上げる「ルーブル武蔵関弐番館」は、(株)TFDコーポレーションが展開するマンション・ルーブルシリーズの1棟です。

細かい作業が多い建築の仕事。
約100社を取りまとめ、完成へと導く

丸磯建設では「ルーブル武蔵関弐番館」のようなマンション建築工事を、最近手がけることが多くなってきました。住宅街のマンション建築の難しさはどんなところにあるのか、斉藤正樹所長に話しを聞きました。

建築事業部 所長 斉藤正樹

建築事業部 所長 斉藤正樹

まずは建てる前に試掘して、土地の状態を確認

「現在手がけているのは、全部で40戸ある地上5階建ての賃貸用マンションです。建設現場である練馬区関町は、周辺に保育園や神学校などがあり、穏やかな雰囲気が流れている住宅街。木造2階建ての住戸が多く、あまりこの規模の建物はありません。搬出入経路に大型車両の規制があり、解除申請や通行許可が必要な場所になります。やはり気を使うのは工事の時に出る音と振動です。工事が始まる前に近隣の方に案内を出し、ご理解を頂いております。」

「今回の現場は土質的にはローム層で地耐力があるため、基礎は杭ではなく厚さ60cmの耐圧盤を設置しました。基礎工事から始めますが、住宅街の場合、前に建っていた建物や構造物などの杭や地盤などが出てくることがあるため、初めに試掘をします。以前の現場では、大きな杭が残っていたこともありました。住宅街の建設現場ですと、杭を抜く様な大きな重機が入れないことも多く、新しい建物の杭をずらすなど設計変更になる場合もあります。そのため試掘は必ず行います。今回も建物の下に入ってしまうような支持基盤が出てきたため、適切な処理を行ってから建築工事に入りました。」

  • 幅員6mの交互通行の前面道路

    幅員6mの交互通行の前面道路

  • 近隣の住宅に配慮した建設現場

    近隣の住宅に配慮した建設現場

施工図をもとに、一つひとつの打ち合わせと確認が必要

「マンション建築の場合、設計図を元に施工図を作ります。サッシや電気、配線の位置、取り付ける高さや向きなど、各業社が作る製作図の細かい部分を書き込んでいきますので、施工知識のあるものがそれを見れば、どんな建物になるか、一目瞭然となります。内装部分に関わる、例えばサッシや配線など、業社は何十社にもなるため細かい調整が必要ですし、フロアも基準階の他に1階や最上階などは仕様が違っていたりするので、施工図は大体2〜4回ほど書き直します。工事と並行に作業を進めていくので、時間との戦いです。」

「建築で大変なのは、確認や打ち合わせなどが多いことですね。現在この現場は丸磯の社員は3名ですが、完成するまでトータル約100社ほどの業社が出入りします。特に内装工事が始まってからは、何十社とそれぞれ打ち合わせをしなくてはなりません。建築は細かい作業が多いため、一つ一つの確認が大事になってきます。」

  • 施工図をもとに打ち合わせと確認を行う

    施工図をもとに打ち合わせと確認を行う

  • 図面の内容は現場の壁面にも書き出される

    図面の内容は現場の壁面にも書き出される

多くの職人が出入りする現場だからこそ、様々なところに目を配る

工事概要を聞いた後、実際に工事している現場を案内してもらいました。

建物は建ち上がっていましたが、外壁タイルを貼る作業などのため足場が組まれた状態で、多くの作業員が出入りしています。その日は気温35℃という猛暑日でしたが、コンクリートで覆われた建物内は直射日光が当たらない分、涼しく感じられました。

「マンションですが、収納も多く、トイレと浴室は別々になっています。また玄関の上がり框は天然石を使用しています。発注者のマンションシリーズの仕様となっているので、使用する材料などは細かい部分まで決められています。」

  • 施工中の居室

    施工中の居室

  • 玄関の上がり框の天然石

    玄関の上がり框の天然石

建物内を見学したあと、防水作業をしているという屋上を案内してもらいました。日陰となる室内とは打って変わって、灼熱の中での工事。作業員が黙々と防水シートを屋上面に貼っていきます。作業環境のチェックも重要な仕事の一つです。
「今年のように暑い日が続きますと、外の作業は熱中症の心配も出てくるので、まめに水分を補給するなど、注意しながら進めてもらっています。」

工期に合わせ、安全に作業を進めていく。少ない社員で多くの作業員を束ね、約1年の工事を行うのは、現場でのコミュニケーションが必要不可欠です。取材中も斉藤所長には、確認の電話がひっきりなしにかかっていました。私たちが普段何気なく過ごしている、居心地の良い住まい。そこに至るまで、たくさんの苦労と人の手が加わっていることが実感できる現場でした。

  • 屋上で防水作業を行う作業員

    屋上で防水作業を行う作業員

  • タイル張りの作業員

    タイル張りの作業員

「学校の改修工事をしている職人の姿を見て、建築の仕事がしたいと思いました」〜中濱 廉さん

今年入社の中濱さん。赤羽に続き、6月から2現場目である武蔵関に入っています。

ー「出身は九州ですが、東京の方が建築の仕事も多いし、最先端の知識を得ることができると思い、建築事業部に入社しました。入社のきっかけは学校の先生の紹介です。会社見学に来た際、斉藤所長が担当していた北品川のマンション現場を見たのですが、雰囲気がとても良くてこの会社で頑張って見たいなと思いました。」

ー「建築の仕事に興味を持ったのは、中学の頃に学校の改修工事があり、職人たちが仕事をしているところを見て、面白そうだと思ったからです。高校では建築工業科に進み、ガス溶接、アーク溶接などの資格を在学中に取りました。将来的には建築の資格を取り、現場を任せてもらえるようになりたいです。この現場に来た時は、既に1.2階の躯体まで出来上がっていました。更地の状態から建物が完成するまで携わったことはまだないので、まず一番最初から建築の現場に入ってみたいです。きっと完成したときは、やり甲斐を感じると思うからです。」

ー「現在は作業状況の写真を撮ったり、適切な材料が使われているか、仕事の進捗状況はどうかなど記録に残す仕事や、養生作業をしています。今は先輩方について、一つづつ仕事を覚えている最中です。」

中濱 廉さん